2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

愛しき戦車、17

マッ「うーん、教官相手じゃ気配が探りにくいなぁ」 ゼノ「メビウスもメビウスでこういう細かいことやたらと上手いし」 マッ「もうちょっと花びらの密度が低ければ、上空から見えるだろうに」 ゼノ「メビウスの体色だと紛れそうだけどね」 マッ「(←ものすご…

愛しき戦車、16

レオ「タロウたちは寝てるよ。桜の木は折れやすいと言ったんだがな」 ゼノ(たち?) マッ「それで、代行はまたなにをここでしているんですか」 レオ「知らん。最近、なんだかよくタロウに連れ出されるんだ、特に用があるわけ でもないらしいが。ずっとじゃ…

愛しき戦車、15

マッ「そーいや、お前のとこに送られてたデータちょっと読んだけど、」 ゼノ「なんで生体認証が解けるんだよ; 半月は当人も無理だぞ」 マッ「解いたんじゃなくてロックごと外したというか、さっきの“極端な人”が 暴れてたってことだよな?」 ゼノ「おまっ、…

愛しき戦車、14

レオ「なにをしてるんだ、あいつら?」 80「今回の件の記録を作りたいそうですよ」 レオ「部外秘が結構あるのだと聞いているが?」 80「そもそもあの子たちが隠し事をしてますしね、貴方が“聞いて”ましたが」 レオ「そうか、個人記録か」 80「エルを見…

愛しき戦車、13

・質問その二、メビウスとエル?・ 80「あー、ノアの指名を知ってるのはゾフィー隊長だけなんだ」 ゼノ「そうなんですか、なんかエル先輩知ってたっぽいですけど」 80「さすがに事情が事情だから話した、のかな? でもそういうことでエルが 口を割ること…

愛しき戦車、12

・質問その一、目的・ エル「さあ? なにか聞いてる、イオタ?」 イオ「連れて行かれて放置だったからなぁ、80先生が方針等は立ててくれたが、 正解かどうかは正直わからんな。ノアにとってな」 ゼノ「なんか思ったよりお元気ですね」 イオ「うん、熱はと…

愛しき戦車、11

【なにがどう大変だったか、さして聞く必要もなかった。 一人は片腕が欠けていたし、もう一人が帰還後、片目が潰れるような熱を出した。 風土病のようなもので、それに接触したもう一人と違って抗体がなかったらしい。 (実際には身体の作りが違うっぽい、と…

愛しき戦車、10

ゼノン『あー、星が消える、というか公転軌道を外れてるとこだな』 マッ「見たかったな。というか、星の上にいたかったよ、海が凍りついたりとか 生き物が動かなくなったりするものなんだろうか」 ゼノ『生き物はいない、ノアが回収したらしい』 マッ「ノア…

愛しき戦車、9

――お前は、お前だ。 ネオ「優しいんだろうな、こいつ」 21「え、いや、ちょっと違う、んじゃないかなというか」 ネオ「そんだけ周囲と違っていてはまあ普通には振舞えないんじゃないの」 21「・・・ごめん」 ネオ「嫉妬だろうよ、理不尽だ、同情するのも…

愛しき戦車、8

マッ「(ぼー・・・)なんだか、断罪でもされているようだと言われた」 ネオ「お前が? 誰に?」 21(なんだかんだと面倒見いいよなぁ) マッ「誰っていうか、・・・誰だっけあれ」 ネオ「つーか、断罪ってなに一体」 マッ「出来ないことをやれって責め立…

愛しき戦車、7

21「ネオス、授業代行お疲れさま」 ネオ「あいよ。なんつーか、まるで手応えねぇな、たかが数人いないだけで」 21「うーん、マックスがいればまだ違うんだけどねー」 ネオ「マックスってそいつ?」 21「なんというか、なんでも出来るんだ、この子」 ネ…

愛しき戦車、6

21「ちょっ、報告しなきゃ(声潜め)」 ネオ「俺らが預かってりゃそれでいいんじゃねぇの、80どのがいたら渡したが」 21「なんかそれ、引っ掛かる言い方だな」 ネオ「他の奴等に対してないのは“信頼”じゃねぇよ、でもお前含め、お前たちは 親切すぎる…

愛しき戦車、5

――汝は餓えの味を知るか否や? 21「頭をふっ飛ばし掛けられておいて、降ろさないのかい?」 ネオ「そこまでされてねぇよ; 寝惚けてんのかねこいつ、喋らないし」 21「経過っていうか、経緯は誰も知らないんだ、当事者どのは黙っているし」 ネオ「? な…

愛しき戦車、4

ネオ「ふん、“ウルトラ兄弟よりも強い”我々に言うべきことか(でも痛い)」 21「別にいいけど、私の前以外で言わないでね。そもそも知名度が低いほうが 知名度高いほうを参照するし、そういう口上って」 ネオ「知名度は関係ないだろ...orz」 21「だいた…

愛しき戦車、3

21「ああ、でも、シールド自体は薄いから破りやすいね」 ネオ「まさかまだ中にトラップあるんじゃないだろうな・・・」 21「それはなんとも、」 ネオ「なんだ、寝てるしちーこいヤツじゃん」 21「ゾフィー隊長なんかとはあんまり変わらないと思うけど…

愛しき戦車、2

21「その手の軽口が君らが本来の能力で認められにく、、げ、シールド;」 ネオ「(前半無視)そのせいか? 扉が開かんな」 21「シールドは薄いし壊せそうだけど、これじゃ扉を巻き込むなー」 ネオ「じゃ、あとで弁償する」 21(その思い切りの良さはち…

その7

リュ「なあミライ・・・なんじゃこれ」 ミラ「えっ、ご存じないんですか? 招き猫です」 リュ「そうじゃなくて、“怪獣おいでませ”っつってんのかと」 ミラ「ああっ、そうですね。GUYSのお客って怪獣でしたね!」 リュ「(なんかもういいや)しかしこんなんど…

その6

サコ「まあさて、本屋には寄ろうかな」 ミラ「(←服に埋もれてます)電子データでは駄目なんですか?」 サコ「最初の勉強はやっぱりそっちのほうが良いと思うからね。まあ年寄りの 感性なのかもしれないけどね」 ミラ「え? お若いと思いますけど」 サコ「そ…

愛しき戦車、1

「何度来てもここは迷路みたいでよくわからん」 セブン21「訓練所には機密機関みたいな側面もあるし。組織化って正直あまり ウルトラ族にはない考え方だと思わないか。ネオス?」 ネオス「今更。そこに属しているくせに」 21「だからさ、ゾフィー隊長と…

その5

ミラ「これなんですか? 置き物、、動物??」 寿司「ああ、招き猫ですね。お客さんがたくさん来ますようにという意味で 置いてあるんですよ」 ミラ「へぇっ、そうなんですかー。でも、猫・・・?」 寿司「そうですねー、デフォルメされてますからね」 サコ…

その4

ミラ「うわーうわー、なんで部屋の中に魚がいるんですかΣ」 寿司「可愛いですが、なんかエラく大変そうですね・・・どうぞ(緑茶)」 サコ「すみません、賄いのウーロン茶まで出して貰ってしまって」 寿司「あ、いえいえ、お子さんなどにも時々出したりする…

その3

ミラ「(もくもく)あ、えーと、」 サコ「美味しい? 気に入ったみたいだね、やっぱりわさびは抜いて下さい」 ミラ「はい、先ほどの、カッパ? は味がわかりにくかったんですが」 サコ「味覚自体はちゃんとしてるんだね、ところでカッパは海苔巻き全体の 愛…

その2

ミラ「うわぁ・・・食べ物のお店って始めてです、僕」 寿司屋「え、お客さんどこから;」 サコ「ちょっと遠いところからね。しかし昼は人が少ないって聞いてたけど ほとんど貸し切り状態だな」 寿司「すみません、昼は私一人でなかなか行き届きませんで」 サ…

その1

するすると黒い車が近づいてくる リュウ「どうした、ミライ?」 ミライ「(小首を傾げる)いえ、先に行ってて下さいな」 リュ「(知り合いか?)いーけど、浚われんなよ」 サコミズ「(くすくす)内緒にしてくれてありがとう」 ミラ「どうかなさったんですか…

「よし、地球儀を買ってこよう」 「はい、はあ?」 しまった、口に出す内容ではなかったが、ちょっと彼女の不意を付けたのでまあ良しとしよう。不可抗力だから仕方ない仕方ない。――思い出していたのは昨日の“夢”だ、器用に組まれた手足に(若い者は長いね)…

「そういえば、基地内に部屋、用意出来ましたので移動許可お願いします」 「はい、っと、そうか早かったね、ありがとう」 「いえ。それにしても、セキュリティの問題があるとはいえ、なにも貴方自らが部屋を提供するまではしなくても良かったのではないかと…

その隊員には、子どものような印象がある。しかし実際には二十代前半。 かなりの飲み込みと腕の良さと、半端ない人手不足で正直特に問題視されたこともないが、よく思っていない者もいるようだ。部隊の中では主に隊長が面倒を見ていたため衝突等の問題はなし…

「英語圏の人間ということで当面は誤魔化せそうかな、」 「そうですね、主語や時には述語も抜いてしまうというのは、実際あちらの方にとっても難しいと聞きますし。慣用句の概念はとりあえず教えられるにしても、その内容までいちいち、というのは限界がある…

カチャ。 「・・・どうか、なさったんですか?」 「ん? いや、ちょっと喉がね、眠れないのかい?」 少しだけ口を押えて、脇を向いていた、言葉を選んでいるというよりはなにごとか言っていいものやら迷っているらしい。 「こんな言い方をしてすみません、身…

彼らはそもそもひどく美しい種族だと思う。それを口にするのには、実際かなりの抵抗があったのだが、“強い”というのならば誰も笑いはしないだろう。そのために地球に来る、そのために生きているのかもしれないとまで思わせる生き物だ。 そんなことをふとぽつ…