英語圏の人間ということで当面は誤魔化せそうかな、」
「そうですね、主語や時には述語も抜いてしまうというのは、実際あちらの方にとっても難しいと聞きますし。慣用句の概念はとりあえず教えられるにしても、その内容までいちいち、というのは限界がある気がしますね」
「実地で生活してもらうに限るか」


「と、言いますか、隊員のトレーニングについて行ってしまった模様ですが?」
「・・・なんというか、果敢だよね」
 事態を多少美化した言葉で取り繕ってもあんまり意味がないが。


 恐ろしいもの、は我々よりはそれは少ないのだろう。けれどなんというのかこう、“受け入れられない怖さ”のようなものは感じないのだろうか。そんなものは地球人にしか存在しないのだろうか(ひょっとしたら日本人だけか? と思えなくもないが)。
 ――そもそも昨日、怒鳴られていたことはいいのだろうか。