2004-01-01から1ヶ月間の記事一覧

#31「ハロウィーン・パーティ」

いくらオリヴァ夫人でも、ハロウィン・パーティーの最中にブリキのバケツに顔を浸けられて殺された女の子の死体なんか見たら取り乱すよね、、、というか、前にも彼女の書いた筋書きで女の子が一人死んでるから(結局もともと誘導されたものだったんだけど)…

#30「第三の女」

ある日、ポアロさんとこに頭が足りない、と言われてしまうような(オリヴァ夫人は言いたい放題言ってもさっぱりしてますな)少女がやってきましてね。自分が人を殺したかもしれない、ということと、こんなにお年寄りだって知らなかったので、と言いおいて帰…

#29「複数の時計」

とある盲目の婦人の元にタイピストが名指しで呼び出され。 そこにはなぜか死体が転がり、午前中にはなかったはずの時計がいくつも運び込まれており(なにぶん盲目なのでいつ搬入されたかはっきりしない、証言はお手伝いさんの)、そこにたまたま通り掛った諜…

#28「鳩のなかの猫」

クリスティ文庫ってあまり訳が良くないことも多いんですが、これはすっごいよかったです、思わず訳者さんの情報調べちゃったし。とはいえ、話としては、クリスティさんの得意分野とは言えない、かな? 寄宿舎モノなんですが正直女の子たちより教師のほうに興…

#27「死者のあやまち」

怒涛の推理作家・オリヴァ夫人(なにが怒涛って、悪い人じゃない)に極めて唐突に呼び出され、事情も聞かずに駆けつけてみたらにっこり笑って「好奇心でいらしてくれたのよね」というのはいっそあまりにも本質を突きすぎているわけですが。 彼女が計画に参加…

#26「ヒッコリー・ロードの殺人」

正直、ポアロ氏がミス・レモンを雇っているということに気付いたのも最近ですが(何冊くらい前だっけか)、ヘイスティングスさんはたまにふっと涌いて出るだけ、のわりにしょっちゅう愛しがられてますが。ジョージさんという執事もいるらしい(従僕かな?)…

#25「葬儀を終えて」

とあるじー様が些か唐突に亡くなり(死期は宣告されてましたが)。 その葬式の席で、老女になっても小首を傾げる癖の残っている彼の妹・コーラが無邪気に言い放ちました「だって、殺されたんでしょ?」と。まあそれは当人も変なこと言っちゃったわ、と取り繕…

#24「マギンティ夫人は死んだ」

ポアロさんが扱うにしてはちょっと変り種の事件というか。 引退寸前の刑事さんに頼まれ(腕はよろしいと思います)、とある掃除婦の方が小金を盗まれて頭を叩き割られてしまった事件を調査することになったわけですが。理由はもうすぐ彼が死刑になってしまう…

#23「満潮に乗って」

まともな人はまあいないでもないんですが「いい人」が皆無ですね。 意外と悪意に満ちた話というのは他にもあるんですが、ここまで徹底されているのはちょっと珍しいというか。ものすごくぎりぎりでリンくらいか。でもポアロさんにスルーされてますね(単に彼…

#22「ホロー荘の殺人」

犯人が誰かということも、それがなんでかということもあまり重要でもなく、まあ、直接ポアロさんと対峙することになった“ヘンリエッタが何故”ということすら当人の口から聞かないとわからないというか。なんの話であったのか、ということを考えると。 うーん…

#21「五匹の子豚」

16年も前の毒殺事件の犯人が誰ですか、というお話で。 なんでまた“五匹の子豚”なのかというと、関係者が五人で初っ端に聞いた人が市場関係者だったからだそうですよ、って読みが違うじゃん!(金融市場に市場≪いちば≫) (つーか、英語の場合どんな感じの…

#20「白昼の悪魔」

白人がごろごろと日光浴をしてるところは申し訳ないけど不気味だと思います。 つーか、服を着てると明らかに有色人種のほうが上だなぁ、とまあ自分が有色人種だからかもしれませんが。なんか不健康。という、わけのわからないところから語り始めましたがそん…

#19「愛国殺人」

ポアロさんが歯医者に行く、ということが当の歯医者さん以外の全員に治療と思われてないわけですが、いつもの審美眼の冴えもなく、あれも駄目、これも悪党と烙印を押して、治療が終ったあと(なんであそこまで腕がいいのにあんなに怯える必要があるのかしら…

#18「杉の柩」

まあ実際、この女殺してやりたい、とプライドの高い女がぼやーっ、と思わず考えてしまうことと本当に手を下すために計画を立て始めるのにはかなりの差異があるのではないのかと思われます。 しかし彼女が恋敵を殺す夢想をしたのは確かなことで。 彼女はそれ…

#17「ポアロのクリスマス」

どうもやたらと冒頭から読みづらく、これは訳のせいなのかそれとも構成のためなのか、ずっと迷ってたんですが。そっかー、幻惑さすこと自体が目的じゃしょうがないか。 まあ中盤くらいからは全く問題ないっすよ。 なんかこう妙に、長兄アルフレッドさんとハ…

#16「死との約束」

ぶっちゃけて「吊り橋効果」起こってねぇ? とか聞きたくなっちゃったんですが。 そんなに念入りにその場にいる相手ばっかりで婚姻関係結ばなくてもいいじゃない、どう考えてもお人好しのアメリカ人は絶対求婚者とタイプ違うって! とか突っ込んでもきっとな…

#15「ナイルに死す」

コーネリアもいいのですがロザリーも捨てがたいわけで。 とりあえずポアロさん的にはロザリーのほうに傾いていたといえなくもないでしょうか、まあただ単にコーネリアは特になにかしなくても自分で自分の道を見つけるしっかり者だからに過ぎないのかもしれま…

#14「もの言えぬ証人」

昔読んだ時に強烈な印象に残ったのは犯人だったわけですが。 当時とは違う訳で読んだ今回、なんだかベラの夫であるタニオス氏のことが気になったというのは結末を知っているからなのか。それとも年齢を重ねたからなのかなぁ。 とある老婦人が飼い犬の愛用の…

#13「ひらいたトランプ」

4人の殺人犯が出てくるよん、ということが本篇の前にまで宣伝される本。 どの人が殺人犯かなー、ということを迷う予知が始まってしばらくしかなかったのがちょっと残念です。というか「一番疑わしくない人間が犯人」という法則は単にそのほうが話がわかりや…

#12「メソポタミヤの殺人」

クリスティさんの二番目の旦那は15歳下の考古学者だそーです。 というところとこの話を掛け合わせるのはいまいちどうなのかしらと思わないでもないのですが「ポアロさんが砂漠なのにけろっと!」しているという点は確かに成果と見ても構わないような気はし…

#11「ABC殺人事件」

クリスティ読んだことがなくてもこの本はまあ知っているでしょうというか、そのトリックも何度も何度も何度も使われているというか、「オリエント急行の殺人」と違って一応致命的でもないというかね。ただちょっともったいないですが。 このトリックを知らな…

#10「雲をつかむ死」

親切がどういうレベルをはるかに越えて、ぶっちゃけてお節介じゃないかと思うんですがそこのところどうなんでしょうか、ポアロさん。しかしまあ、男と引き離すのに別の男を利用するというのは押し付けがましくなくて理に適ってるよーな気はします。 いくら賢…

#9「三幕の殺人」

いや、フツーにいい友人でもあり芸術家のパトロンでもあるサタースウェイトさんも確かにちょっとマズいけど(ポアロさんはむしろそこで排除してるほうが正しい気もするが)、お母さんとかかなりどうかと思うんですが。 というわけでネタバレではあるんですが…

#8「オリエント急行の殺人」

かなり有名なオチで、ぶっちゃけて昔全然関係ないクイズ番組で知ってしまったわけですが(お前のことじゃー『世界不思議発見』!)、つーか、あの流れでオチが必要ないだろみたいなところでもたまに語られてしまうわけですが、他の作品内で引き合いに出され…

#7「エッジウェア卿の死」

でもなんだかんだと、ほとんどポアロシリーズでそれまでに読んだのと比べてもかなり強烈な印象を放っているというか、その言い草のいくつかはどうかと思うこともやっぱりあるんですけれど、それでも魅力的って言ってもいいんじゃないかなぁ。 ジェーン・ウィ…

#6「邪悪の家」

鮮烈に印象に残ったのが犯人の哀れさというのはどうなんだろうと思うのですが、うーん、男女差、かなぁ。けれど全ての人がそうは感じないような気はするんですよ、ただし少数派というほどに少ないのではないよーにも。 動機と、狙われた対象(とその意味)が…

#5「青列車の秘密」

で、この本は主人公ミス・グレーでいいんですよね。 事件的にはかなりの勢いで単なる目撃者ですが、一応被害者の夫とは別のつながりがあったわけですが、もう一人の富豪の秘書とは完全に事件つながりしかないはずなんですが。そして恐ろしいことに当人が事件…

#4「ビック4」

国際謀略モノでー、、、というか、女に諜報物が書けないとは言わないんですけども、男の作家は少なくとも上手いか好きか身の程知らずのどれか三系統しかないと思うんですよ。賢くて(向かないとわかってて)下手で好きでもない諜報モノを書くのは女だけだと…

#3「アクロイド殺し」

基本的にポアロさんと言えば相方はヘイスティングさんですが、相方というか助手というか、、、愛玩動物?(いくらなんでも言いすぎです)(ポアロさんに対して) 早くも3冊めで助手が違うというか、いや、この本の彼はまあ助手と表現して構わないと思うんで…

#2「ゴルフ場殺人事件」

えーととりあえず、タイトルのわりにゴルフ関係ないよね。というか、哀れな悪女ネタはこの頃から(初期の作品っすね)あったんだなというか、いやホント、後から思えばかなり効率の悪い悪女だと思います。 とある奥さんが男たちに押し入られて縛られて、夫が…