#18「杉の柩」

まあ実際、この女殺してやりたい、とプライドの高い女がぼやーっ、と思わず考えてしまうことと本当に手を下すために計画を立て始めるのにはかなりの差異があるのではないのかと思われます。
しかし彼女が恋敵を殺す夢想をしたのは確かなことで。
彼女はそれで自分が有罪ではないのかとずーっと、まるで責め苦のように背負っています。解説でも褒められてたけど、それはすごく女としてわかる、というか現代人にも容易に想像が付くことなのではないでしょーか。
(繊細な男の人にもわかるかもしれないけど、やっぱり女だよね、これ。)


つーかぶっちゃけ、彼女が犯人かしらとはらはらするよねぇ、うん...orz
好意っていうか、うーん、やっぱり殺したくなってしまう気持ちがすごくわかるので、どっちかというと同情ですね。でも読者の垣間見る彼女はとても立派な態度なんではないのかと思うんですよ、男も悪くはないんだけどやっぱちょっと頼りないっつーかな。


とある婚約者のいる男が、ある娘に一目惚れし、その結果として婚約が解消され。
その娘はその婚約者だった彼女の作ったサンドイッチを食べた直後に死体として発見されることになりました、彼女の叔母の亡くなったという直後に消えた薬剤でもって。
なんとなく私の文章から無罪の響きを感じるかもしれませんが、まあ、読み始めたら似た結論に達すると思います、それは状況証拠とかじゃなくて性格的なものでね。
娘の素性なんかもちょっと微妙なものがあったり、老婦人の遺産の問題もあったり。
どうやってポアロが状況を解いていくのかがまあお楽しみ。