愛しき戦車、15



マッ「そーいや、お前のとこに送られてたデータちょっと読んだけど、」
ゼノ「なんで生体認証が解けるんだよ; 半月は当人も無理だぞ」
マッ「解いたんじゃなくてロックごと外したというか、さっきの“極端な人”が
 暴れてたってことだよな?」
ゼノ「おまっ、エル先輩まで覚えてないのかよ、あんだけ目立つのに」
マッ「そんなこと言われても知らないよ、グループの人かな」


ゼノ「人前で言うなよ、当人は全っっく気にしないだろうけど」
マッ「うん、さっき肩叩いてきたほうの人は覚えたよ」
ゼノ「うー・・・、見た目なのかなぁ、よくわからんなぁ、お前の記憶力」


マッ「結局、誰もその理由を追及しなかったのか? なんで?」
ゼノ「ちょっとは考えたよ、でもなんつーか、あの人の生きてきた時間そのものに
 原因があるみたいで気が引けた。伊達や酔狂には見えなかったしね」