2004-01-01から1年間の記事一覧

#9「殺人は広告する」

えーと、何故ピーター卿がこんなことまでしなきゃなんないのかが微妙にわからないわけですが、つーかデス(DEATH)・ブリードンって素で名前が怖いんですが、なにが驚いたってあながち偽名ではなかったことでしょうか。うわ、マジそのスペルなんだ; ところ…

#8「死体をどうぞ」

なにが印象深いってとある段階で被害者に掛けられた憐れみだったわけですが。 いや、殺人事件の被害者なんだからある程度は同情されて当然なんですが「彼がせめてなにも真相を知らぬ間に亡くなったことを祈ります」と来たもんだ。ある意味で“彼”の正体という…

#7「五匹の赤い鰊」

すごくなんというかこう、新本格ですね、パズルですね。面白くないとは言い難いんですが、一度読み通したんですが正直どれが犯人だかよくわからないというか、作家たちの個性はそれぞれとっても独特なんですが。 “独特な作家たち”という以上の印象がないとい…

#6「毒を食らわば」

ピーター卿のヒロインというとこの巻で登場するハリエット嬢なのですが。 基本的にはあまり人気がないよーです、というか、彼女そのものが悪いんじゃなくてなんかこう、現実味がありすぎるんじゃないのかと思うんですよ。おまけにピーター卿が現実味の極地で…

#5「ベローナ・クラブの不愉快な事件」

この「クラブ」、完全な庶民階級が行けるよーには見えませんものの、ピーター卿が出向くのにもちょっと身分が違うというか、あくまで友人に会いに行っているというか、お金厳しいのにそーいうところには出入りできるものなの? というか。 (でも身分のほう…

#4「不自然な死」

半死半生のおばあちゃんがおったわけですが、それがまあ、医者の目から見ると余命半年なわけですがそれ以外の素人には明日をも知れぬ命なわけですよ。「癌ってのはそういうのがわかりやすい」のだそうで。 で、なんの変哲もないすーっとした死に方をなさった…

#3「雲なす証言」

ピーター卿の妹君の婚約者が殺され、疑われたのは今はお父様が亡くなられて一家の長でもある公爵であるお兄様。ピーター卿は次男なので少し地位の低い爵位を継いでいるわけなんですが、公爵が一番上です、数人しかいません。 すざましいスキャンダルに当然な…

#2「誰の死体?」

ある日風呂場に中年男の死体があり。 それが鼻眼鏡を掛けていたとしたらかなり怖いっていうか、いやぶっちゃけて、鼻眼鏡しか掛けていないというか、素っ裸です。あまりの不思議現象に、貴族探偵で名高いピーター・パーカー卿が乗り出して来ちゃいましたよと…

#1「ピーター卿の事件簿」

セイヤーズの本はそもそもほとんど統一感がない、、というと批判になってしまいますが、同じ切り口のものがほとんど一つとしてなく、わりと共通するのが登場人物たちのコミカルな会話くらいかなぁ、と思うんですが。 これがまた、この短篇集にはほとんどその…

#5「高慢と偏見」下、ジェーン・オースティン

とゆうかマジ、上下巻を読み終わってから最初にしたことは「男でもツンデレって言うと思う?」と人に聞くことでした。周囲は確かに鉄壁の無表情で気付かないのは無理もない気もしますが(主人公がボケで気付かないとかそんなんじゃないんだよ)(なんか会う…

#4「高慢と偏見」上、ジェーン・オースティン

この話が面白いのはきっと、ダーシー卿がとんでもない、自分でも無意識のツンデレだからに間違いないと思います。どんなに女の立場が微妙で、とりあえず結婚ということを念頭に置かないと「食ってけない」「命に関る」ということまで提示されているのに、ど…

#3「カラマーゾフの兄弟」下、ドストエフスキー

脇エピソードの中では長男と父親が取り合ってた未亡人が好きです。 というか、彼女が昔の恋人が文を寄越したからってうきうきうきうきしっ放しだったところが好き、そして彼に実際に会って、なにに絶望したって優しく抱き締めて歌ってくれなくなってしまった…

#2「カラマーゾフの兄弟」中、ドストエフスキー

父親は長男と妖艶な未亡人を取り合い。 次男は長男の婚約者(すでにいるんだよ)といい雰囲気なんだそーです、まあ正直傍目に見るとこっちのがお似合いっぽいです。インテリクールと芯の強いお嬢様です。 長男は野獣系で、父親がろくでなしです。 (多分父親…

#1「カラマーゾフの兄弟」上、ドストエフスキー

ロシアの文豪、ドストエフスキーさんは、原稿料を稼ぐために文章の水増しをしていたと言われているっていうか、なんかどうも当人がそう言っておられたみたいなんですが。 それはこのみっちりぎっちり、と詰まった文章のことですか。 確かに、一人の台詞が文…

#73「チムニーズ館の秘密」

いや、多かれ少なかれ大体の人がそう思うような気もするんですが。。。 偶然にしちゃあちょっと釈然としないというかなんというか、むしろ読者じゃなくて作中の関係者だったら「そうだったのか!」って純粋に驚けるんじゃないでしょうか、だってそもそもがど…

#72「茶色の服の男」

面白かったですー、私、クリスティさんというとポアロとかマープルさんとかのイメージしかなかったんですが、そして諜報モノを読んで「えー;」とすごく思っていたんですが、冒険モノいいじゃないですかー、てかヒロイン可愛いぃぃww 当り前ですが、地理や…

#47「秘密機関」

タペンスはちょっと考えなしで元気な女の子、、、というかそんな年齢じゃないんですが、うん、しかしなんか少女みたいな人で。トミーは彼女の従兄弟でちょっとぼんやりしているように見えても冷静で観察眼の鋭く、しかしやっぱり無鉄砲なところもw で、彼女…

#31「ハロウィーン・パーティ」

いくらオリヴァ夫人でも、ハロウィン・パーティーの最中にブリキのバケツに顔を浸けられて殺された女の子の死体なんか見たら取り乱すよね、、、というか、前にも彼女の書いた筋書きで女の子が一人死んでるから(結局もともと誘導されたものだったんだけど)…

#30「第三の女」

ある日、ポアロさんとこに頭が足りない、と言われてしまうような(オリヴァ夫人は言いたい放題言ってもさっぱりしてますな)少女がやってきましてね。自分が人を殺したかもしれない、ということと、こんなにお年寄りだって知らなかったので、と言いおいて帰…

#29「複数の時計」

とある盲目の婦人の元にタイピストが名指しで呼び出され。 そこにはなぜか死体が転がり、午前中にはなかったはずの時計がいくつも運び込まれており(なにぶん盲目なのでいつ搬入されたかはっきりしない、証言はお手伝いさんの)、そこにたまたま通り掛った諜…

#28「鳩のなかの猫」

クリスティ文庫ってあまり訳が良くないことも多いんですが、これはすっごいよかったです、思わず訳者さんの情報調べちゃったし。とはいえ、話としては、クリスティさんの得意分野とは言えない、かな? 寄宿舎モノなんですが正直女の子たちより教師のほうに興…

#27「死者のあやまち」

怒涛の推理作家・オリヴァ夫人(なにが怒涛って、悪い人じゃない)に極めて唐突に呼び出され、事情も聞かずに駆けつけてみたらにっこり笑って「好奇心でいらしてくれたのよね」というのはいっそあまりにも本質を突きすぎているわけですが。 彼女が計画に参加…

#26「ヒッコリー・ロードの殺人」

正直、ポアロ氏がミス・レモンを雇っているということに気付いたのも最近ですが(何冊くらい前だっけか)、ヘイスティングスさんはたまにふっと涌いて出るだけ、のわりにしょっちゅう愛しがられてますが。ジョージさんという執事もいるらしい(従僕かな?)…

#25「葬儀を終えて」

とあるじー様が些か唐突に亡くなり(死期は宣告されてましたが)。 その葬式の席で、老女になっても小首を傾げる癖の残っている彼の妹・コーラが無邪気に言い放ちました「だって、殺されたんでしょ?」と。まあそれは当人も変なこと言っちゃったわ、と取り繕…

#24「マギンティ夫人は死んだ」

ポアロさんが扱うにしてはちょっと変り種の事件というか。 引退寸前の刑事さんに頼まれ(腕はよろしいと思います)、とある掃除婦の方が小金を盗まれて頭を叩き割られてしまった事件を調査することになったわけですが。理由はもうすぐ彼が死刑になってしまう…

#23「満潮に乗って」

まともな人はまあいないでもないんですが「いい人」が皆無ですね。 意外と悪意に満ちた話というのは他にもあるんですが、ここまで徹底されているのはちょっと珍しいというか。ものすごくぎりぎりでリンくらいか。でもポアロさんにスルーされてますね(単に彼…

#22「ホロー荘の殺人」

犯人が誰かということも、それがなんでかということもあまり重要でもなく、まあ、直接ポアロさんと対峙することになった“ヘンリエッタが何故”ということすら当人の口から聞かないとわからないというか。なんの話であったのか、ということを考えると。 うーん…

#21「五匹の子豚」

16年も前の毒殺事件の犯人が誰ですか、というお話で。 なんでまた“五匹の子豚”なのかというと、関係者が五人で初っ端に聞いた人が市場関係者だったからだそうですよ、って読みが違うじゃん!(金融市場に市場≪いちば≫) (つーか、英語の場合どんな感じの…

#20「白昼の悪魔」

白人がごろごろと日光浴をしてるところは申し訳ないけど不気味だと思います。 つーか、服を着てると明らかに有色人種のほうが上だなぁ、とまあ自分が有色人種だからかもしれませんが。なんか不健康。という、わけのわからないところから語り始めましたがそん…