#2「誰の死体?」

ある日風呂場に中年男の死体があり。
それが鼻眼鏡を掛けていたとしたらかなり怖いっていうか、いやぶっちゃけて、鼻眼鏡しか掛けていないというか、素っ裸です。あまりの不思議現象に、貴族探偵で名高いピーター・パーカー卿が乗り出して来ちゃいましたよと。
気のいい可愛い兄ちゃんですが(ハンサムではないらしいぞ)。
自分たちが不安定な時期に来られたら、なにもしなくても側にいるだけで充分うっとおしいというか、いやいい人ですが、いい人ですが。今回は当のお家の方が、近所でも評判の良い後ろ暗いところのなんにもない人らで、死体の妙さ加減は本気でかなりのものだったのでちゃんと歓迎されてはいましたよと。


その頃、ちょっと近くで著名人が消えてしまわれたんですが。
当然調べてみたんですがその人じゃねぇと。


そしてピーターさんは、鼻眼鏡の“持ち主”を探してみようと奇妙なことを思いつき、新聞広告を出してみたら引っ掛かってきたよと。すわ犯人?! かと身構えたんですが、よく考えてみるとそんなことがあるはずがなく(持ち主がいてもいいけど、忘れ物じゃなくて堂々と死体が付けていたんですから犯人なら名乗り出るわけねぇ)。
全く無関係の善良で身元のしっかりした関係者が増えただけでしたと。
しかしそもそもこの死体、手入れされていてそれなりの身分ではないかと最初は目されていたんですが、よく見るとそうでもなく、最近急に整えたような風情がないでもないと。
さて、誰の死体でしょーか、本の真ん中くらいで当てられます、頑張れ。