純文

#10「桜の園」チェーホフ

どちらかというと太宰治の「斜陽」を先に読んで、それでこちらに興味が惹かれたので(まだレビュー書いてない)、順序が違うかもしれませんが。要するにまあ、貴族がその特権的な地位を失い、自分で事業をするような才覚もなく。 自分の一番のお気に入りの家…

#9「こころ」夏目漱石

先生に罪があるかどうかはほとんどタイミングの問題でしかなく。 むしろ恋の鞘当に勝って、親友でもある相手に自殺されてしまったのだ、というのは同情に値することではないのかと思うんですよ。それだけを聞けば。というか自然に。 しかしこの話は、どう考…

#8「嵐が丘」下、エミリー・ブロンテ

ヒースクリフはエドガの妹を浚い(エドガの妹だからもうちょっと根性あるかと思ったのにってなんじゃそりゃ、復讐じゃなかったんかい)、子どもをなし、キャサリンの兄の子どもを加えて三人の次世代がその土地にいる状態に一人の男が訪れ。 (エドガもエドガ…

#7「嵐が丘」上、エミリー・ブロンテ

すでに作家であった姉の、稚拙な習作ではないか、とまで言われた作品で。 サマセット・モームの“世界十大小説”の一つにも数えられているという、なんというんだろう、これを小説の種類として分類するとなると純文学以外ありえないんじゃないか。父から教育を…

#6「不思議な少年」マーク・トウェイン

えーと、とある貧乏な村のとある少年の前に超美少年の“サタン”が現れ。 この方はどうも例のルシフェルさん(改名してサタン)の甥に当たられるそーなのですよ、当人のいうところによると天使でもって、いろんな力が使えるものなのですがとにかくまあ時代が悪…

#5「高慢と偏見」下、ジェーン・オースティン

とゆうかマジ、上下巻を読み終わってから最初にしたことは「男でもツンデレって言うと思う?」と人に聞くことでした。周囲は確かに鉄壁の無表情で気付かないのは無理もない気もしますが(主人公がボケで気付かないとかそんなんじゃないんだよ)(なんか会う…

#4「高慢と偏見」上、ジェーン・オースティン

この話が面白いのはきっと、ダーシー卿がとんでもない、自分でも無意識のツンデレだからに間違いないと思います。どんなに女の立場が微妙で、とりあえず結婚ということを念頭に置かないと「食ってけない」「命に関る」ということまで提示されているのに、ど…

#3「カラマーゾフの兄弟」下、ドストエフスキー

脇エピソードの中では長男と父親が取り合ってた未亡人が好きです。 というか、彼女が昔の恋人が文を寄越したからってうきうきうきうきしっ放しだったところが好き、そして彼に実際に会って、なにに絶望したって優しく抱き締めて歌ってくれなくなってしまった…

#2「カラマーゾフの兄弟」中、ドストエフスキー

父親は長男と妖艶な未亡人を取り合い。 次男は長男の婚約者(すでにいるんだよ)といい雰囲気なんだそーです、まあ正直傍目に見るとこっちのがお似合いっぽいです。インテリクールと芯の強いお嬢様です。 長男は野獣系で、父親がろくでなしです。 (多分父親…

#1「カラマーゾフの兄弟」上、ドストエフスキー

ロシアの文豪、ドストエフスキーさんは、原稿料を稼ぐために文章の水増しをしていたと言われているっていうか、なんかどうも当人がそう言っておられたみたいなんですが。 それはこのみっちりぎっちり、と詰まった文章のことですか。 確かに、一人の台詞が文…