#6「不思議な少年」マーク・トウェイン

えーと、とある貧乏な村のとある少年の前に超美少年の“サタン”が現れ。
この方はどうも例のルシフェルさん(改名してサタン)の甥に当たられるそーなのですよ、当人のいうところによると天使でもって、いろんな力が使えるものなのですがとにかくまあ時代が悪く「切ったり薬を飲ませたりという尋常の方法ではなく」「日光浴によって健康になろう」とする女性のことを魔女として捕らえ、火炙りにするということがまかり通り。
なんかちょっと人と違うとなるとすぐにその槍玉に上がっちゃうみたいですね。


で、どうもサタンさんはそういう人間がかなり嫌いらしく。
君たちは良心なんてものがあるからいけないんだと繰り返し言うわけなのですが。


とはいえ、純真な少年たちやか弱いピーター神父やその妹まで嫌いなわけではないらしく、なにがしかと世話を焼いてくれるわけなのですが、うーん、でも、それが意味がないという魔法扱いされてしまうのは仕方ないとは思うかなぁ。
酷い目にあいたくなかったら死んだほうがマシ、生きてこの世で幸せになるには気が狂うしかないよね、といった調子で。少年たちに「助けて」と頼まれると、まあその調子。
とはいえ、サタンが狂っているというよりは、やっぱりこの世が狂っているような。
この話はそもそも作者さんの完全なものではなく、四つの準備項の中から選ばれて美少年サタンを巡る村娘たちの恋の鞘当て、カソリックを馬鹿にした言動。ピーター神父の同僚の司教が口にした中のもっとも悪辣な行為を占星師のものとすり替えもしたそうですが。
まあ、本質を損なってないといえばそんな気はしないでもないかなぁ。
特定のなにかを攻撃するための本ってわけではないと思うんだよね。