遠き戦渦の音が響く。

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ば、、、ち、、っ 「え?」 「あ、はい、父さん、今行きます」 「いや、なんでもないですよ、、、ホントに」 ああ、うん、ほら、父さんを助けなきゃ。 何度考えてもそうしたいんだから、ごめんね、父さん。 ―― 「メビウスの、、、輪?」 「、、、ウルトラマ…

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―― 「ね、どう思う、、、?」 相変わらず、答えは返らない。 他愛ないこと以外なんにも答えない、隠し事をしてますよ、というような。 誰かが助けてくれるって、なんとなくよくわからない。 火星ってそういう星ではなかったから。 一度だけ願ったのは母さん…

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。。。 夢を見た。 いや、夢というのか誰かが延々と僕の耳元で囁いていた。 25年も出現のなかった「怪獣」の飛来。 その時に全滅したという地球防衛隊・チームGUYS。 一人だけ生き残ったはずの青年は、その場で怪獣に挑み踏み潰されたっていう。 (なんて…

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† 七日め。 日向ぼっこをしていてたまに逃げるだけの日。 基本的に僕はボール君に寄り掛かって寝ていた、柔らかい。 そういえば目を開いた、ものすごく奇麗な、泣いているみたいな目だった。 Ф 八日目。 地球の話を少しした、僕の話をした、父さんの話をした…

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ζ 五日目。 小さな島、、、じゃなくて星を見つけた。 光が欲しいボール君のためにそこに不時着することにする。 あれだけ小さな島だと空気が定着している可能性はないだろうが。 今日はボール君に圧縮のくるみパンをちょっと差し出してみる。 パチンと袋が弾…

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○ 三日目。 ボールが喋る、、、あわわわわわ。 × 四日目。 ええと(こほん)。 「彼」はなんでも、宇宙人で名前がないそうだ。 なんでボールなのかと聞いたら、エネルギーの節約のためらしい。 口がないのに、と思っていたらテレパシーだって。 いや、喋って…

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☆ 一日目。 今日、計らずながら父さんとお別れすることになった。 うん、寂しくない、もうすぐ20歳だったし。 ところで僕が目を閉じている間にした大きな音はなんだったのだろう? なにかが窓にぶつかったみたいだけど、割れてはいない模様。 それとあと、…