−21.裁判2(3/7)



行人「一通りは聞いてはきましたが正直、推測でわかる以上のことはなにも。
 実際の捜索組なら、どんな状態で逃げたかくらいはわかるでしょうが」
紅砂「他の判事どのらはどうしている? なぜ彼が来たのだろう」
行人「・・・当人に聞けばよろしいのでは」
紅砂「いや、誰かから私たちのことを聞いた、ということで埒が明かない」
行人「それは;」


朗花「ワタシたちの正体その他はご存知ないようですが、頼みに行けと」
紅砂「あまり重要でもないといえばないしな、意識してなかったそうだよ」


 ぺこり、と判事が頭を下げる


行人「刑事判事は数も少なく、利害関係の一切と隔離して“育て”られます。
 僕らに会いに来れたのはぎりぎり証人だったからでしょうが、それにしても
 これが判明するとどんなことになるかわからない」
紅砂「下手したら誘拐罪か?」
行人「さすがに、この建物範囲内でそこまではいかないでしょうが」