−20.裁判(7/7)



行人「・・・つまり、被告の行方不明について、誰かに説明が欲しいと?」
紅砂「ああ、軍人にも頼んだらしいが判事に対してはほとんどまともに話して
 くれないということのようだ、気持ちはわからんでもないがな。とはいえ、
 目の前で事態が起こってりゃあ、さすがに気になるはなぁ」
行人「私たちが教えるとなると、聞くか調べるかをしなくてはなりませんが」
紅砂「お前なら出来るだろ? 上官権限で聞いてきてくれ」
行人「(むすー)所属違うと、ほとんどそんなこと通用しないですよ」


朗花「あのでも、さすがに事態が事態ですし、話を聞くくらいは」
紅砂「そういえばそもそも、あ、耳は問題ないですか?」
――はい、そちらは役目に支障がありますので。


紅砂「なら良かった、例の男、というか被告が消えたのは事実?」
――それすらしかと伝わらないのです、判事とオブザーバー、職員の幾人かが
 隔離されるようにして事態と切り離され、他の人間が借り出されました。
紅砂「つまり、裁判が止まったところまでが事実、人手を割いてなにごとかを
 している、となると、確かに他にさして結論はなさそうだな」