−20.裁判(6/7)



朗花「あ、消えた、≪協力的な異形≫の方だったんでしょうか」
紅砂「そういや、テレパシーの受信機能のみ潜在的に備わっているらしいと
 聞いた記憶はある。能動性が全くないので無視していたが」
朗花「ああ、伝わると思っていたような雰囲気はありましたね」


行人「それでも、さすがに無礼ですよ、その存在を知っている相手であれば
 緊急事態は仕方ないにしても、人間の先触れくらい、」


 コンコン、


紅砂「開いている、用件は、、(とん、と来訪者の手が伸び肩に触れる)」
――薬剤使用による色素脱落者です、驚かせてすみません。


紅砂「(思わず手を握ってしまう)いや、こちらこそ不躾に見てすまない。
 声も出ないものなのか? 先ほどの緑の人も同じ?」
――あの方はオブザーバーです、私は判事の一人、声は己で無くしました。
紅砂「え、判事? なんでまた、人との接触は禁じられているはず・・・」