−17.幻影(7/7)



木田「ハイキ・柚木? なんか妙な響きだな」
彦乃「ようわからんのですけど、No.8のお名前ってことですよね?」
百瀬「なんせ字はこれですから『廃棄』、名は使わない前提とのことでなんだか
 妙な名前ばかり付けるんですよね。男女逆転とか、マイナスだとか。ちなみに
 彼の姪のコウサの字はこれです『黄砂』(カタカタ)」


木田「あん、コウサ? だったらあいつで決まりなんじゃ」
百瀬「ですから顔が違ったんですって、どうしようもない。それに彼女の経歴も
 そう全てが謎だったわけではなかったのだし」
彦乃「・・・でも、なんか全部が成り立たないって聞きましたけど」
百瀬「そう、それで複数の人格の記憶混濁という説も出ましたね。ええ」


木田「論点が見えん、つーか、本題だろ? この面子に話してていいのか」
百瀬「まあ紅砂にはいて欲しいのですが、行人さんにはご遠慮いただきたかった
 と、申し上げておきましょうか。結論から言いますと、ハイキ氏は30歳」
彦乃「だってかなり年配に見え? え??」
百瀬「姪のコウサ嬢の顔なんていつも違いました、人間の仕業だったんですよ」