−17.幻影(6/7)



 「んー、行人・M・柚木?」
行人「・・・Mは単に分類だから呼びません、それと、Mの家は苗字が先です」
 「金持ちは面倒臭いね?(すてすて)」
行人「一時間もあとを付いて来て今更身元確認というのもないと思いますが」


 「軍人は奥の手が多いもので。逃がさない自信しかなかったし」
行人「そうですね、瞬間移動能力者から逃れる術はありませんね」


 「簡単です、骨の一本も折ればいい。それで物理/非物理的にも動けない」
行人「別にそこまでしなくても、、貴方はここの構造に詳しいのですか?」
 「最初に君の仲間が連絡を取った組合から話がこちらに転送された、数人の
 グループで主な専門家と言っていい。絶対数は少ないが調査は前からね」
行人「“少ない”? なにが」


 「≪シューター≫の消失は特に珍しいことではなく、岸辺の者らは乗客数を
 正確には記載しないことにしている、と言えばわかります?」
行人「・・・貴方の意図以外なら」