−17.幻影(1/7)



 素人に銃を教えるなどというのは全く趣味ではないという顔をしている。


――ダムッ、
「やり方はさっき教えたな? ほら」
「(銃を受け取って眉を寄せる)重いの、、ですね」
(まあ若いから仕方ないが、全く、意地の悪い)


「誰もあんたに頼んだわけでもなんでもない、無理なら止めるんだな」
「けれど、24時間、いえ、夜間約12時間を常に誰かに付いていて貰うのも
 あまり現実的ではないように思います。貴方には大変なお手間ということは
 わかっているつもりですが、私には縋るしかありません」


 一度軍人がしたように片手で構え、迷ってもう片手を添え、両足を開く


「殺そうとする当の相手ならばともかくも、まるで無関係のはずの方らにまで
 “見苦しいから大人しく死ね”と口にせず呟かれるのは好きになれぬのです」
「・・・考えすぎだ」
「(微笑む)貴方だけなのです、悪意だろうと、はっきりと伝えてくれるのは」