#6 烏森の宵桜

七十七も不思議があって、つーか、桜の狂い咲きくらいならまだともかく、それが一晩で枯れてしまうというのもなんということもなくお花見してすごすという中高生たちもさすがに大概肝が太いような気がしないでもないですが。
桜が咲く理由が「殿様が好きだったからねぇ」というのがもう人外すぎるというか。
代重ねて力が強くなりすぎたせめてもの代償だったのかなぁ、とか(あの話、特に具体性がないんだけどなんか悲しかったなぁ、あまりにもままならなくて)。


狂い咲きの宵桜とそれに群がる妖と。
霊が見えてしまい、そのことを気に病む少女の話。


どっからどう聞いても抑揚が妙というか、棒読みなような気がするんだけどどうもああいう口調の子に聞こえるというか耳障りとは思わないのが不思議。まあ聞きにくいということは実際ないんじゃないかと思うんですが。
しかしさあ、もとがあんまり性質がいいんじゃないかもしれない妖怪でも、単に酔っ払ってくるくると浮かれてるのを滅するってちょっと可哀想だなぁ、と思ってしまいましたよ。単に向ってくるだけならともかく、くるくると楽しそうに枝に絡みついてるし。
というか「あーあー、すっかり酔っ払っちまって」というのはちょっと反則ですよ、そんなこと言われたらフツーの酔っ払いと変わらなく見えてしまうじゃないですか。というか、あの輪に吸い込まれたらどうなるのかはよくわからんのですが。
異界の闇に封じ込める、だっけ?
人間にとっては大変だけど妖にとっては単に故郷なのかなぁ、その辺わからんな。