帽子が来た、61



――そして偶然の巡り会わせで、その虚飾は全て剥がれ落ちたが。


イオ「あいつはどうも、命が消えることに、生き物が欠けていることに極端な
 反応を示す。その理由がわかったのは本当につい最近なんだけれど」
マッ「・・・同情でもしたんですか?」
イオ「うん、哀れなほど、役に立たないな。そうやってのめり込まない時には
 容易く事態を良い方向にも導けるんだろうが。当人がパニックに近い状態で
 なにか救うことなぞ出来ようはずもないね」


マッ「で?」
イオ「それで終わり」


マッ「あのね、聞いたのは“拘る理由”です、欠点でしょうがそれ」
イオ「似たようなものだと思うが、だいたい美しいものになんざ興味ないね」
マッ「あ、開き直りましたねー・・・まあ、いいか」