帽子が来た、60



イオ「・・・私はずっと、うーん」
マッ「はい?(首傾げ)」
イオ「自分の中にある、他人に拘る、というか甘い部分が嫌いだった」
マッ「知ってますよ。メビウスに声を掛けたのなんて貴方くらいでしたね」


イオ「お前、一体どういう基準で物を覚えているんだ; あれは、メビウス
 物を尋ねるのが苦手だったからな、まあ、すぐに余計な世話になったが」
マッ「でもあの子は、ずっとそれを覚えているんですけどね」
イオ「そうなのか? でもそれらしい素振りは、いや、そんなことはともかく
 エルのこともずっと如才のない奴だと思っていたな」


マッ「まあ、その辺は知りませんがね」
イオ「だからお前、一体どういう;」
マッ「貴方だってそんなエルに興味があったわけじゃないでしょうに」
イオ「でもないぞ、ちょっと慰められたというか、気を使われたのが最初だ」