帽子が来た、23



マッ「手を放しなさい、貴方まで“吸収”されかねない」
イオ「だが、」
マッ「今の飢えを癒しても、そんなもの一時の足しにしかなりはしない」


イオ「・・・ああ、すまん」
マッ「僕は、どちらかというと種族調停委員会の言が正しい気がしますよ。
 もしくはエル当人の、生き延びるだけでどれだけ綱渡りなのか」
イオ「だからこの星にいたのか」
マッ「そうですね、宇宙の中でここだけが、飢えとも争いとも関係ない」


イオ「それでもエルは、なにもしていない」
マッ「けれどこの“捕食”を、意思でコントロール出来ていないでしょ」
イオ「・・・」
マッ「しかもこの方、下手をすると被捕食者が己を差し出しかねないし」