帽子が来た、13



帽子「貴方がたは恐れなど知らない、“差別”などもない、他の種族が事実上
 怖くないのです、物理的に。あるのは具体的な争いくらいだ。けれどもね、
 大抵の種族は恐ろしいと思うのです、地球人に限らず、彼らは幻想の中でも
 差別をする、それはいくらなんでも未熟です。けれどね、弱い種族であれば
 現実の危険は存在する、そして滅びる種族すらある、それを笑うのですか」


タロ「(目を細める)笑ったつもりなぞ僕にはない、なんのために地球にまで
 行ったと思っている。しかし、ウチの訓練生が一体なにをした?」
帽子「なにをって・・・?!」
タロ「具体的に、敵対行為があったのかと聞いている、加害行為だ」


帽子「だ、だいたい、訓練生なのが不自然なんです、あれは厳密に生命体とも
 言い難い、なぜ大事な子弟と混ぜて平然としていられるのですか!」


タロ「話を交ぜ返すな、先に答えるべきだ、答えないならそう明言すべきだ」