#14 銀色の夜、心は水面に揺れることなく(後編)

あー、今回の敵として出てきた二人の男女、なんか良かったです。
でもWiki先生見てみたらロシアの情報局員だったのかw 正直私が期待したのはこういう方向ではなかったんですが、まあいいや、面白ければ。
インは昔馴染みのピアノ教師、インを助けようとして車の前に身を投げ出した彼女の母親の死に深く責任を感じた、彼女の母親と情を通じた(なんもなかったんだけどね)もと青年の手を離れ、ヘイのもとに留まるとなぜか言い。
インの身柄を殺し、情報が他組織の手に流れることを阻止しようとしていたヘイとインの元締めの男は感情をなくした“ドール”であるはずの彼女が流す涙のせいで引き金を引こうとする指が止まってしまい。やっぱり感情をなくしているはずの敵方の契約者たちは、自分が組んだお互いの対価を伝え、もともと人間であった時の過去を語り。
男は契約対価の詩を口ずさみ、自分の能力でもって捕らえ続けていた観測霊たちが夜空に消えて行く光景を「月の光だ」と。女はそれを悪くない最期だと、そんなふうに呟いただけという実にあっさりしたものなんですが。
彼らが正直、見目麗しいってんじゃないところも含めてなんとなく良かった。
一応のお互いへの情や、パートナーシップのようなものは持っている、というよりちょっとした接触の中で生じていった、というところは見えていたんですが。それが男女の愛情でなかったとしても、彼らが男女であったというところが良かった。


インがなぜヘイを選んだのかとか、ドールは実際にはどんな存在なのかとか。
そういうことがはっきり示されていたわけではないんですが、まあ、それもそれでいいや、と思うことが出来たのは全く関係のない別の二人のせいだったのかな。