#12 壁の中、なくしたものを取り戻すとき(後編)

ヘイと仲良くなった研究者は≪ヘルズゲート≫近くの“隕石”を回収する(というか、施設ってゲートの周囲に作られているんだよね?)チームとなり。
ところが全員が殺されてしまい、一人だけ帰っては来たのですが。
ゲートの中ではそんなことは日常茶飯事なのであまり気にされなかったものの、録画に写っていた「靴をひっくり返す」のが契約者の対価であるのならば、事件を起こしたのは人間、ということでわりと簡単に犯人は知れ。
しかしやっぱり、契約者って思ったより情動が豊かなんじゃないかなぁ。当人がどうでもいいものがとことんどうでもいいだけというか、なんの罪もない単に居合わせただけの捜索隊をけろっと殺しておきながら、そして隕石を奪ったところまでは認めても自分の目的は純粋なのだと、ヘイにだけは信じて欲しいのだと主張します。
とはいえ、それが聞き遂げられないと、君だけはわかってくれると思っていたのに、、、という反応も人間らしいっちゃ人間らしいか。


ある意味で、ヘイが他の契約者と逸脱しているというのも、その辺の関係の薄い人間への気の向け方にあるのかもなぁ。この話は結局、奪い合われている隕石そのものが一体なんであるかということもいつものごとく判明することなく。
研究者の目的もNASAに所属するための引き換え条件、というだけのこと。
妹なんていないんだろう、契約者が夢なんか語るわけがない、という指摘をしていたヘイはある意味で、それ以上に信じていたということになるのかなぁ。同じ電気を操る契約者同士がぶつかって、あれはどういう終わり方だった、といえるのか。
抽象的にすぎるといえばいえるんですが、そういう世界観なんだもんなぁ、全てが。