#11 壁の中、なくしたものを取り戻すとき(前編)

正直こう、そもそも色気とか全然関係ないんだから相手が女でなくても「潜入」が可能ではあろうかとは思うんですが、あそこまで短期間に気を許されてしまうと、えー、とまるで思わないでもないというか人たらしだなぁ、ヘイさん(普段は李さんだっけか)。
組織の命令で≪ヘルズゲート≫への潜入を命じられ。
そこでたまたま会った少女は明るい態度であったのに、ゲートに近づくやにわかに異様な様子を見せ、中で会った研究者は望遠鏡に縁があるヘイにすっかり打ち解け。
あとなんか、“組織”に雇われている研究者さんも結構喋るなぁ。


そもそもよく考えたら全ての話の原点ではあるものの、末端のヘイらにはほとんどゲート本体のことは関わってこず(むしろ警察のほうが研究所を抱えてる関係でちょっと近いかな?)、“契約者”であるヘイがゲートに近づくと暴走の危険があるかもしれない、とも言われているのですが。
それでもいいから盗まれるはずだった隕石を取り戻して来い、というのが組織の命令、で、またなんでヘイさんに命じるのかと思ったら別口の契約者が関わっていそうだからみたいですね、というか、その辺くらい教えてあげないのかしら。
そもそもゲート施設での仕事は単なる清掃らしく、仕事そのものには特別な技能が必要でもないのでしょうが、精神に異常をきたしてしまった少女のように、過去の悔恨を抱えているだけでゲートは反応し、そもそも死ぬことも前提というなんかハードな世界。
研究者さんらはそれなりに対応し、星を見るような趣味を持つ人までいるので人にはよるのでしょうが、そしてゲートにもっと近づいたカメラの席に同席したヘイは。
そこに、妹なのだろう少女が写る画面を見てしまいます。