#8 五月雨にクチナシは香りを放ち(後編)

結局未亡人は、確かに企んではいたもののそう悪意もなく、悪意もないというかたまたま見付けてしまったのを黙っていたら、その後半年も経ってしまったから気になって(別に見付からないようにとか画策もなんもしていない)、というだけのことなんだから、はっきり言ってバレるんなら最初から頼めばいいだけのような。
ちゅーかむしろ、暴かれてほっとしたということなのかもしれない。
それにしても古巣の警察に対しては結構妄想(でもない、けどやっぱりあの妙な名前は格好付けだったか)炸裂していましたが、未亡人の前では「猫、いるとは思ってなかったでしょ?」という依頼に沿った建設的な内容しか喋ってないという。
そしてヘイとはほとんどすれ違っただけ。
化粧品会社の事件とはジャケットの取り違えでやっぱり見失っただけですね、というか、あー、靴下もあのジャケットの中だったのかな、、、そりゃ大変だ。
(代償行為ではないみたいだけど。)


要するに最終的に、あまり関連性がない単に会社が同じだけ、しかもその会社すら死んだ人間つながりの二つの事件が近場で起こっていただけなのだという、そんな展開だったことが判明してしまうわけですが。
まあそれに関しては別に構わないと思います、お互いちょっとずつ疑ったみたいですが、ヘイの身体能力が非常に高いためにバッティングするほどのこともなかったし。
ああそっか、二つの話は悪臭とか芳香とか無関係に、香りというか臭いでつながっていないでもなかったのか、全く筋が違い、ヘイの事件は全容すら判明しないままなのですが、不思議と乖離感だけはありません。探偵も恥ずかしくないんだよなぁ、アレ。