#6「困ったもんだの囚われ人」神坂一

やっぱりこのシリーズを一番特徴たらしめているのは、征服者として来た種族・竜人(ギオラム、とルビが振ってあります)の存在ではないのかと思うのですが、全4巻の中で2巻目にして主人公たる女子高生のエリがよりによって金髪な王子(暫定的に王位、若いですがまともな人ですとも、趣味以外)と一緒に奴隷狩りに浚われてしまい。
敵の城内で暮らす、という事態に陥ってしまいまして。
それぞれの立場で意外と順応してやんの、というかねぇ。うん。
エリはその異様な気の強さから「人間を研究する」おっとりした竜人の家に。
王子さんはどこぞの金持ちのサディストの家に。


というか、このエリを買ったラーディーは大好きです、可愛いんだこれがww
お互い、面倒臭いので王族と関わりがある、なんて話はしませんが、彼女たちがお喋りとして他愛なく話したことが全体的な流れに関わってきたり、人間と竜人(種族として隔絶しすぎてて話し合いをする、という腹が全くない)の間に、曲がりなりにも和平の話が持ち上がったりも。
変わり者であり、部外者だから偏見なく相手のことを見ることが出来る、というのはこういうライトノベルに限らず、面白い話ではないかと思うんですが。
エリはすっかりラーディーと馴染み、味覚が結構違うよね、とか、翼があるから窓は覆いが必要ねとか、翼があるから横になれないのかぁ、みたいなことをまず知っていくわけですよ。どっちかというと竜人のほうが生態暴露されてるっぽいですが。
(ラーディーは異世界人エリの知識を人間全般の知識と勘違いしちゃったい。)
ところで、たまにベツァーさんが可哀想になります(←一番の悪人)。