#3「精霊王」小林めぐみ

基本的に話を貫くのは案外“精霊とはなにか”ということかなと思うんですが、これはまああくまで少年少女向け小説にすぎませんもので、理論的というわけでもなく、とはいえ、いろいろ言われてることから考えて「ああ、そんなのもありかも」と感じられるのが大事っていうか、フィクション読む時にそれがないとやってられないわけで。
空気中に精霊が死んだ後の破片というかかけら、“種”が漂っていて。
それがとある物体や、時に生物のエネルギーに宿り。
一個の存在となるのが精霊、本体が死ぬと生きていることは出来ず。
生物のものはほとんど滅多にありえない、ましてや人間は、という前提でもって。


実は進の介さんの小学校の同級生が人間の精霊を宿す体質の家の子だったよと。
それは人間の性質を伴う性質でもって、他の精霊から精霊王と呼ばれるのだと。
たまぁに、適合者がいるんだけど、彼が宿してしまうと彼の親族までいろんな事態に巻き込まれてしまうとのことなのでまあ、ごにょごにょごにょ。


神霊ナミやら、前回朱雀さま(ヤンキー風)にもらった天馬のトンちゃんなんてのは強いからそうでもないんだけど、ごく普通の霊能者となるとそうもいかず。昔は結構家族に殺されてしまったりしたんですよと但馬さんは淡々と語られます。
そして、その事件と相前後して起こる、霊能者たちが立て続けに狙われ。
それに失敗しての子どもの爆死事件。中からぼーん、と。
あまりこう、見ていて軽くも明るくもない気はしますが、親族に殺されたと目される精霊王の宿主は死んでも女の子を頑張って口説きます。ナンパじゃないぞ。