#2 残酷な夜

翌朝、全員がそれでも遅刻したり、前夜の付近を歩き回ったり。
少女同士で話をしようとしたり、忘れようとして別のことに打ち込んでみたりと、様々な反応を見せる中、ゆっくりと獣のように這う男との“闘い”が挿入されます。
レイチェルと呼ばれる赤毛の女の子が主なターゲットになっているようで。
他の少女たちはそれに怯えたり、男を止めようとしがみ付いたり、蹴りを入れたりと、「闘え」と言われたわりにどうしたらいいのかまるでわかりません。
一人喧嘩慣れした少女がいたくらいですが、一撃を入れられただけで吹き飛びます。
それは純粋に男の体力と少女の体力の差異でもあるのかもしれないし。
もしかしたらその男が本当に獣に近い存在なのかもしれない。


動きは四つ足で眼光は灰色一色になり、見た目は到底人間には見えません。
金網を越えよう、と一人強い少女は提案し。
レイチェルはパニックになって泣き喚きます、朝まで隠れていたいのだと。


そして金網を越える前に彼女は追いつかれ、他の少女たちのぎこちない反撃では足りず追いつかれ、頭を鷲掴みにされ、限界に至り、、、その時になにが起こったのかという説明は二人の男女からなされるようなことはありませんでした。
ただ、逃げると死ぬということと。
召集を掛ける場合は12時前になるということだけ。
少女たちは自分が死んだということの詳しい説明すらないまま、その言葉に従います。
そしてそれぞれの生活を送りながら、その日の夜、12時を待ちました。