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――ほんの一時共にいただけで、彼は私の元から去った。


単に巻き込まれた形の(そうでもなかったんだけど)前回と違って、私は今度こそ
心配されてカウンセリングに通うようなことにもなった。
お母さんがため息をつきながら休みを増やした。


確かに私はおかしいのかもしれない。
ソリチュラがどうなるのかばかり心配していた、けれど、どうしたら“私”が彼を、
彼のことを憎むことが出来るんだろう。
日差しの強い夏よりも、他の動物と寄り添う冬が少しだけ好きなのだという存在を。


そもそも一体、なにを憎めというんだろう。
どんなに冷静に考えても、私は彼に、慰められただけなのだ。


ナオ(・・・そうだ、それだけでも伝えなきゃ、でも、誰に?)