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“博愛”の話をしようか。
すべての人を物を、平等に愛することだそうだ。
――とあるところにとある兄弟がいてな。
その片割れが悪い妖怪に騙されて・・・いや妖怪ではないのだが、そこはそれ、
具体的には弟が妖怪に成り代わられたわけだよ。
それはまあ、誰にも見破られないものだったんだけどな。
それ見た兄は弟の望みが間違ってることわかっても、弟に付いたと。
羨ましかったんだよ、わかるかこの気持ち?
あの子はまあ、けして国に害を為すようなことは望まないんだけれども。
たとえば全ての者に逆らってでも「誰か」を助けようとするのならば。
僕は多分その前に立つだろう、衝動的に、なにもかもを捨ててでも。