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タロ「それは、歳を取ったってことかい?」
モチ『なんというのか、複雑におなりで』


メビ「複雑?」
モチ『もとからもちろんお強かった、もとからお優しかった。けれどもそれは
 なんとなく対等の相手に自然に向けられたものだったように思うんですよ』
タロ「君はなんというか、同種族もいないのに、なんでそんなことがわかる」
モチ『それはもう、地球人の産んだものですから』


メビ「そうなんですか? 産んだ?」
タロ「ああ、共通意識の産物というか結実体というか、まあそんなものだよ。
 多分そんなものを生むのはそういう能力があるか地球人か、彼らとよく似た
 生態で暮らす者たちくらいなんだろうな」


モチ『唯一、実態も裏付けすらないものを心から信ずることの出来る種族とも
 言えましょうか。だから生まれたのです、なにもないところから』