愛しき戦車、80



【長い長い時間調べて、エルの“異常”はなにも見つけることが出来なかった。
けれど、改ざんの怖れありとして、それに資料としての価値は付かなかった。
ただ、無理もないというか、じぃ様たちを見てると実際そのくらいはするかな、
なんてことをエル当人が言った。居心地は悪くないようでなによりだ。


 あと、黒衣の妙な男を拾ったらしいが、詳細はまだ聞いていない。】


ウルトラ族と立場的に切り離されたことで、事実上のエルへの追求は止んだ。
とどのつまり、自分たちにとって脅威になるかどうかが重要なのだろう。
そしてまたいつ戻るか知れないので、一応の保険は残したと、奇妙な話だ。




エル『そういえば、今度、メビウスが遊びに来ると言ってるから、しばらくで
 いいから戻るようにしてよ』
 「んー、考えておく」
エル『ったく、あてにならない返事ばっかりだねぇ、君は』