愛しき戦車、73



――守るべきものとそうでないものの違いはわかるかな? 答えはまあ、多分
 どこにも存在しない。しかし同時に守れるものは少ない、贔屓もよくない。
 さて、ならばどうしようか。


イオ「手を伸ばして触れたもの、辺りを見回して目に入ったものを守れってさ、
 それがもしかしたら一番健全なんじゃないかって、酷ぇよな(くっくっ)」
メビ「そんなこと、誰も教えません・・・」
イオ「美しい言葉ではないね、理屈もなんだか投げ遣りだ」


メビ「でも、」
イオ「そうするしかないことがこの世には案外ある、諦めた人間の言葉だな。
 お前は否定してていいよ、むしろ多分、そうしなきゃなんない。けれども、
 私が守りたいものはなんの道理も理論も後ろ盾になってくれないからなァ」