愛しき戦車、71
アス「こいつの中にあるのは慈悲でもなんでもない、だいたい、過ぎたことを
あまりきちんと覚えてもいない。後から教えるくらいしかない(ぽん)」
イオ「擬態は、貴方が? アストラ」
アス「なんつーか、今の80の前任みたいな人だよ。名前は残してるが」
イオ「なんのために?」
アス「わからん・・・なにより、こいつ自身がかけらほども望んでなかった。
理屈を説きゃしばらくは従うんだが、抜け道を思いつくと逃げたがる」
【どうしてあれほど、当り前の日常だったのか。なんだか親切なクラス違いの
訓練生仲間だと見えていたのか。誰がなにを望んだ結果なのか。】
――とてもとても優しい人たちが、僕の人生を全て“書き換えろ”という。
眠りについたエルは、またしばらく目を覚まさなかった。