The Hanged Man.47



 この夜のことは主にメビウスの視点で記す。
私が見たのは、十字の光線に“結界”の壁に貼り付けにされるアストラの姿。
 ひどく、拙い手付きでナイフを振り上げる・・・エルの腕だけ。


【ゆっくりと書けとイオタ先輩に言われたので、そうすることにします。
記録に残さない選択もあったけれど、僕らはそうしないことにしました。
この文書は、光の国のゼノンの個人スペースに転送され(マックスさんが管理を
代行しているそうです)、イオタ先輩の半月の封印が掛けられます。


 まずなにから、というと推測に近いものになるかもしれません。】


――


 ごそ


アス「・・・どこに行く? エル」
エル「(くす)さあ?」
アス「お前を捜すためにまた人手が割かれる、わかっているのか」