#9 シークレット・ドール

人形まみれで殺された“人形のお医者さん”と、人形のように美しい顔で微笑んで死んだとある若い女性。部屋はオーガニック系の製品で溢れ、部屋はウェイトレスという職業ににも関わらず非常に高価、髪は抜け落ちてしまっているのかカツラで。
調べてみると胃がん? あれ肺がんだっけ、余命3ヶ月、周囲の人は誰も知らず。
なんでも仕事仲間に自分が死ぬということを漏らしていたそうですが、市販のはずのティーバッグにはホッチキスの留めなおした跡。
人形は高価な「おしゃべり人形」で持ち主の少女の声を録音していました。
どうもこう、如何わしい場面を目撃してしまったようなのですが、堅く口を閉ざしてそのことを喋ろうとはせず、それを見つけた人形師は心配して親に告げたらしく、それが悪かったのかなぁ。なにも殺すこともないと思うのですが。


いやなんというか、記憶は特に混ざってないんですけども。
なんかよく考えたら二つの事件とも、虚しい結果に終わったんだよなぁ、結局録音は取り戻せず警察に押収され、人が一人死んだだけ。もう一人は8ヶ月もの時間を掛けて殺そうとしていたのにもともと余命が少なかったっていうんだから。
とある金持ちの死後、お気に入りのウェイトレスに部屋を譲るという遺言と。
人形から出てきた証言でもってある程度の動機は見当を付けたものの、それが決め手になるようなことはなく、まあやっぱりいつものごとく地道な現場捜査、毒と共に混入された物質やレシートや被害者のメモ、現場の再構成からの証拠集め。
痕跡はどこにでもなにかしらの形で残るものなんだなぁ、という話でしょうか。
よく考えたら普通にドア開いてたんだよな、後ろめたいといろいろしでかすなぁ;