#5 クビダンゴ/ソノイチ

これは「滅多に入らない価値があるもんなんだぞーw」とからからと笑う父ちゃんだけがその影響を受けず、感受性の高い子どもであった三島少年と、悪趣味だと言い張ったそのお母さん、しかしなんでまた性的な興奮なのかはよくわかりません、首じゃん(私も影響されないほうかなぁ)。
首から下が少年ほうに来てぐるぐる廻り(なんか楽しそうだった)。
首だけがお母さんのほうに行って孕ませたんですかね、でも真面目に、孕ませたってなにをどうしたんだか見当も付きませぬ。どこをどうしてなにがどうなって! 首が!
ということが頭から離れない私は、やっぱり影響受けにくい性質な気もします。
んにゃ、先立たれた夫を反魂、妊娠したとかはわかるんですけど(中国の民間伝承)。


そもそも“頭の中に誰かいる”娘さんが、不思議な話を妙な熱意でもって収集するお父さんに対し、自分の奇行(彼女が悪いんじゃないやい)に対し苛立ち、自分を滅多打ちにするお母さんの所業を前提に家族仲どうだった? と聞くことに端を発しているんですが。
フツーの家族関係が語られるのかと思ったらなんかこう大概でした。
仲は良かったけどある日父ちゃんが、罪人の斬首の記録として描かれた掛け軸を持って帰ってきてからなにもかも狂い始めたんだよ、と。
その掛け軸はなんでも、実際の罪人の血を絵の具に混ぜて描かれるとか。
綺麗だ、と思ってしまったそうですよ、三島さん(奇妙な話を収集するご当人)の少年時代、どっちかというとお母さんのスイッチを入れたのは、自分でわからないままに、「そういう」興奮をしていた自分の息子だったのかな、と思えなくもない。
首じゃん、ということがどうしても頭から離れない私は大概しつこいです。