#15 ダベンハイム失そう事件

これ、ホームズ物の短篇でも同じトリックを見たことがあるので(作品の出来だと間違いなくあっちのが上だなぁ)、「そんなはずは?」と途中から思ってたんですが、まあそんなものでもないのかな。しかしそれを含めていいのなら、事件の概要が語られた時点でだいたいのところが把握できていてもいいわけか。
ただ、それをどう証明するのかとか、当人をどうやって捕まえるのか、というのはまた別の話なんでしょうが。ポアロさんは、概ねかなり早い時点で事件の全貌が見えていたと考えてもよさそうだな、これは。
とある富豪が、自分のライバルを家に呼び、駅まで5分の道のりを買い物がてら迎えに行く、と家を出。そのまま姿を晦ましたのですが道は町に行くものと湖に向かうもの二本だけで見通しはよく、周囲はド田舎でそこらで有名だった富豪がそう簡単に人目に付かずに行動できるわけもなく。


なんら証拠があったわけでもないものの、自然、そのライバルが疑われることに。
湖のボート管理のじいさんが耄碌してた可能性はあるものの、一日に三人しか通らない道を顔見知りが歩いてきたら普通は気付くよね。。。
その三人の内訳は、浮浪者二人に自転車の女性が一人。
つーか、その三人が通行がよりにもよってその行方不明事件とほぼ同時刻だったので、じいさんがボケてても誰かが気付くだろうし、ますます状況が困難に。そして行方不明が発覚してしばらくのち、夫人がライバルを通していた書斎の金庫がこじ開けられていることを発見。しかも浮浪者は行方不明の夫の指輪をライバルが捨てたと主張。
ぶっちゃけて、ちょっと計画甘いんじゃね? 計画に自分使っちゃ駄目じゃん。