3/7



――新しい種が芽生えて、小さな木になった。


ナオ「あんまり大きくなると困るなぁ;」


ソリ『ここまで小さくなかったけど、こないだの体よりもむしろ元の大きさに近い
 かもしれないな』
ナオ「あなたのその体のほうは、種を運ぶためにあるの?」
ソリ『うーん、どちらかというと動物を“呼んで”くるためかな』
ナオ「でも、食べないんだよね」


ソリ『(目を伏せる)冬と夏の差が激しい土地でね、僕らは時折、冬篭りし損ねた
 個体や、迷い出た動物と共に過ごした。体の体積が大きいほうが有利だからね。
 なんでか冬のほうが好きだったな、厳しかったけども』
ナオ(寂しがりなのは、あなたなんじゃない、かなー)